昔からIT業界に所属している方や、ITに興味があった人にとっては、
往年の資格、「初級アドミニストレータ」として名高い(?)資格が、2009年新制度への移行により廃止され、
やや難易度を落として、同様のIT技術の初歩資格として設置した資格になります。
※実質同じ資格のようなものなのに、名称変更してしまった上に、過去の資格がそのまま移行されるわけでもないため、
初級システムアドミニストレータを取得していた人は実質無意味になってしまい、ひどい制度改悪でした
ITパスポート試験(ITパスポートしけん、Information Technology Passport Examination、略称:iパス)は、情報処理の促進に関する法律第29条第1項の規定に基づき経済産業大臣が実施する情報処理技術者試験の一区分である国家試験。
対象者像は「職業人が共通に備えておくべき情報技術に関する基礎的な知識をもち、情報技術に携わる業務に就くか、担当業務に対して情報技術を活用していこうとする者」。
2007年12月に発表された新試験制度のスキルレベル1(スキルレベルは1~4が設定されていて、その中で最も簡単な試験)に相当し、2009年春期試験から開始された。試験の実施に関する事務(試験事務)は、独立行政法人情報処理推進機構 IT人材育成センター国家資格・試験部が行っている。
ITパスポート試験は、初級システムアドミニストレータ試験(以下初級シスアド)の後継試験として捉えられることもある。しかし、対象は「職業人が共通に備えておくべき情報技術に関する基礎的な知識をもち、情報技術に携わる業務に就くか、担当業務に対して情報技術を活用していこうとする者」であり、その性質上、初級シスアドと比べて難易度は低くなっている。
ITパスポート試験は初級シスアド試験の一部を承継し、初級シスアドは2009年春期試験をもって廃止された。初級シスアドはITパスポート試験のレベルを包含し、合格者はITパスポート試験の合格レベルに達しているとされている。初級シスアドの試験内容については当資格と、スキルレベル2に位置づけられた基本情報技術者試験(FE)に吸収された。
ただし、後述するように試験内容がテクノロジ系の問題だけでなくマネジメント系の問題と、ストラテジ系の問題も多くIT系の試験ではあるものの商業知識も求められている。
いわゆる「社会人経験の有無」がマネジメント系問題とストラテジ系問題の正答率に関係している。また、他のIT系資格と比較して非IT系企業出身者の比率が高いのも特徴である。IT系企業でもITパスポート試験を推奨しているものの、実務としてはプログラム言語やテクノロジに関して理解度を測るには判断材料として乏しいため、評価の判断材料には基本情報技術者試験(FE)以上を用いるケースが多い。反面、非IT系企業ではマネジメントやストラテジの理解度と、IT系企業の人材ほどではないもののITパスポート試験でコンピュータシステムやサーバに関する知識などの理解度を測る判断材料になっているケースもある。そのため、金融庁や佐賀県など、職員にITパスポート試験を推奨している公共機関もある。民間企業では金融業界からの受験が増加しているとされる。
事務系の職種を目指している人にとっては、日商簿記検定や秘書検定、MOSなどと共にオススメの資格と言われることもある。また、一部の大学ではITパスポート試験の対策講座が用意されている場合がある。
受験に関しては老若男女問わず幅広く対象としている。試験申請に際し、年齢や実務経歴等による受験制限はない。2021年現在、合格者は最年少が8歳、最年長が86歳である。
2011年11月25日より国家試験では初めてComputer Based Testing(CBT)方式が採用され、試験は全国101会場で随時行われる。また、実施日時は会場ごとに異なる。ただし、身体の不自由によりCBT方式の試験を受験できない受験者については引き続き年2回筆記方式等によりITパスポート試験を実施する。それに先立ち、2011年1月17日から2011年3月27日までCBT方式のリハーサル試験が行われた。リハーサル試験では合否判定は行わず試験結果は得点のみ表示した。
2011年度の秋期試験までは基本情報技術者試験(FE)や応用情報技術者試験(AP)などと同日の4月第3日曜(春期試験)と10月第3日曜(秋期試験)の2回行われ、大学や専門学校校舎といった他の情報処理技術者試験と同じ会場で筆記試験形式で行われていた。引き続き、身体の不自由等によりCBT試験会場で受験できない人を対象として、筆記試験形式が特別措置として同じ日程・全国すべての試験会場で行われている(身体障害者手帳または医師の診断書提出が必須のため、健常者は筆記試験での受験自体できない)。
本試験は情報検定(J検)やICTプロフィシエンシー検定試験(P検)などと並び、入門編の情報処理の試験と位置付けられているが、世間での認知度は国家資格である本試験が最も高い。
出題範囲は上位区分の基本情報技術者試験(スキルレベル2)や応用情報技術者試験(スキルレベル3)とほぼ同じであるが、ITパスポート試験では基本情報や応用情報の内容をより浅く基礎的にしたものが出題される。また、ITパスポート試験では基本情報や応用情報に比べて、ストラテジ系の出題が多くなっている(基本情報や応用情報は技術者向けの試験であるのに対し、ITパスポート試験は利用者向けの試験であるため)。
2019年4月の試験からは、第4次産業革命に対応して、AI、ビッグデータ、IoTなど新技術の利活用や新技術を構成する技術要素に関連する出題が強化された(iパス4.0)。
2021年4月の試験からは、政府の「統合イノベーション戦略2020」に基づき、各学校が教育プログラムを編成するに当たって参考にする「数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)モデルカリキュラム」に対応して、数理・データサイエンス・AIに関する出題が強化された(iパス5.0)。
2022年4月の試験からは、政府の「AI戦略2021」に基づき、高等学校の共通必履修科目「情報Ⅰ」の新設を踏まえ、プログラミング的思考力、情報デザイン、データ利活用に関する出題が強化・追加されることが発表された(iパス6.0)。また、iパス6.0から、プログラミング的思考力を問う擬似言語を用いた出題が追加される。
試験は多肢選択式(四肢択一)で、2016年3月より100問を120分で解答する。IRT(項目応答理論)方式により1,000点満点で採点。他の試験区分にある記述式・事例解析(論述式)といった午後試験はない。問題の内訳及び問題数は次のとおりである。総合評価の満点の60%(600/1,000)以上、かつ、ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の各分野別評価の満点の30%(300/1,000)以上の両方を満たした場合に合格となる。
出題される設問数は100問あるが、うち8問はダミー問題であり、この8問の正誤はスコアには反映されない。ダミー問題は以後に行われる試験のための出題評価に用いられる。総合評価は92問で、分野別評価はストラテジ系32問、マネジメント系18問、テクノロジ系42問で行われる。
内訳
小問形式100問(1問につき1設問)
設問数
ストラテジ系(経営全般)35問程度
マネジメント系(IT管理)20問程度
テクノロジ系(IT技術)45問程度
なお、 出題した試験問題から、情報処理技術者試験(筆記試験)の問題掲載日(4月及び10月の試験日(令和3年度からは4月の試験日))に合わせて、100問が公開される。
ちなみに、資格としての有効度としては、
IT系の会社に転職する中途の人が持っていたら、まあ基礎知識はあるのかな、とか、
新卒の人が持っていたら、少し意識高い系かな、として認められるものの、
実務レベルで考えたら、この資格を持っていたら、じゃあシステムエンジニアができる、
とかプログラミングができて、顧客の要求するシステムが作れる、みたいなものではないため、
実用性は低い模様。
※実際にIT業界に勤務して実感
業務命令で取らされたりするようならまあがんばりましょう、程度のものでしょう。