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保育士

保育園などで子供の世話をする職の代表的なもので、誰もが知っている職です。
保育園で働く人は数多くいますが、保育士、という名称の職は、有資格者によるものです。


保育士(ほいくし、英: Childcare Worker)は、一般に保育所など児童福祉施設において子供の保育を行う者。

保育士資格は日本の国家資格および名称独占資格の1つである。根拠法令は児童福祉法であり、その第18条の4で「この法律で、保育士とは、第18条の18第1項の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう」と定義されている。

学歴によっては保育士と幼稚園教諭免許状の双方の国家資格・教育職員免許状を取得することも可能である。


保育士資格を取得する方法

児童福祉法第18条の6に基づき、厚生労働大臣の指定する保育士を養成する学校その他の施設で所定の課程・科目を履修し卒業するか、保育士試験に合格するかのいずれかの方法がある。前者の施設は指定保育士養成施設といい、指定された科目を全て履修し、保育園と児童福祉施設での校外実習へ行き卒業すると保育士の資格を取得することができる(厳密には、保育士試験の願書は提出するが、全科目免除で合格扱いとなる)。また、公共職業安定所が行う公共職業訓練において、保育士養成コースが設定される場合もあり、それに沿った方法での取得も可能である(訓練先によっては、幼稚園の教育職員免許状も併せて授与されるケースもある)。

後者の保育士試験は、受験資格に短大卒業程度以上が必要だが、1991年3月31日以前に高等学校を卒業した者でも受験資格がある。これは1991年4月1日以降から受験資格が短大卒業程度以上に引き上げられたことによる経過措置であり、 高等学校の保育科の場合は1996年3月31日以前の卒業で受験資格がある。


保育士試験

大学等(大学院、大学、短期大学、高等専門学校、専門学校のいずれか)を卒業するか、高等学校の2年制保育専攻科を修了するか、大学に2年以上在学し62単位以上を修得していれば誰でも受験することができる。見込みでも受験することは可能だがその場合受験結果は仮となり、後日卒業・単位取得を証明する書類を提出しなければ受験結果が無効となる。また上記のように経過措置として高等学校を卒業した者でも受験資格が得られる場合がある。

このほか児童福祉施設において一定期間以上児童の保護に従事していた経験があれば、高等学校卒業、中等教育学校卒業、中学校卒業のいずれかでも受験資格を得ることができる。


合格後

合格してもその時点で保育士として勤務できるわけではなく、登録事務処理センターを通じて各都道府県知事への登録が完了し知事から保育士証の交付を受けて初めて保育士の名称を用いて勤務することができる。保育士試験合格から登録完了までにはおおよそ2,3カ月程度を要する。なおこの登録は任意であり、保育士として勤務する予定がない場合は登録しなくても保育士資格が無効となることはないが、保育士の名称を用いて勤務することはできない。

保育士の主な就労先は保育士の資格を必要とする認可保育所、認可外保育施設(いわゆる無認可保育所、事業所内保育施設、病院内保育施設、へき地保育所、季節保育所)の他に、乳児院や児童養護施設、児童館、放課後児童クラブをはじめとした児童福祉施設、放課後等デイサービス、知的障害者に関わる施設や、病児保育士として病児保育を専門に行う病児保育施設や、NPO等の民間団体が運営する訪問型病児保育事業者への就職もある。


保育士不足

保育所に入所することを希望しながらも、種々の理由により入所できない待機児童が、平成23年(2011年)4月1日時点で約2.5万人いる。そのため政府・地方自治体は待機児童の解消の施策により保育所等の増設を進めているが、大都市を中心に保育所や認可外保育施設の新設が進んだ地域では、保育士の人材不足という新たな課題に直面している。横浜市では、認可保育園が保育士不足により、休園する事例が出ている。

ただし、保育士の人材不足の原因の主因は、保育園の増加ではなく保育士の長時間労働とハードワーク、平均年収315万円という低賃金が主因であるとされる。

国や地方自治体は保育士不足に対応するため、市区町村によって上限額があるものの単身者なら家賃の4分の3前後を補助している。

国家資格の割に、他の試験を受けてやっと取得する国家資格の多くに比べて、稼ぎに直結しない、というかなりの不遇資格となっています。
※賃金面、労働時間面、ともに