介護福祉士

介護福祉士(かいごふくしし、英: Certified Care Worker)は、社会福祉士及び介護福祉士法を根拠とする国家資格。福祉系では、社会福祉士・精神保健福祉士と並ぶ、名称独占資格の国家資格である(名称に福祉士が入る三資格を、福祉系三大国家資格(通称:三福祉士)と呼ぶこともある)。社会福祉士及び介護福祉士法で位置づけられた、社会福祉業務(身体介護・生活援助など)に携わる人の国家資格である。和製英語で、ケアワーカー(CW)と呼称されている。

介護福祉士は、第四十二条第一項の登録を受け、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護(喀痰吸引その他のその者が日常生活を営むのに必要な行為であって、医師の指示の下に行われるもの〈厚生労働省令で定めるものに限る。以下「喀痰吸引等」という。〉を含む。)を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする(法第2条2項)。

介護福祉士は、病院・介護老人保健施設・特別養護老人ホーム・デイケアセンターや障害福祉サービス事業所等の社会福祉施設が活動場所となることが多い。本職種の専門性深化と共に、様々なコ・メディカル分野の専門職との連携などが望まれている。賃金が安く業務内容の苛酷さから離職率が高い。2007年度雇用統計では、介護職員及びホームヘルパーの離職率は21.6%で、全労働者離職率よりも5.4%多い。介護保険外サービスを展開する「ライフケアサポート」の代表・中村英樹は「国家資格でありながら、現場でのヒエラルキーは最底辺」と指摘している。

厚生労働省は、介護福祉士の養成校卒業生に対する、国家試験の受験を完全義務化する時期について、予定(2016年度)よりも6年先送りにし、2022年度から実施する方針を固めた。ただし、2017年度からは、事実上、国家試験の受験の義務化は始まり、2017年度から2021年度までは、国家試験に合格できなくても、5年間限定で暫定的に、介護福祉士の国家資格は授与されるが、その間に正式に国家試験に合格するか、もしくは現場で5年間勤務しないと、介護福祉士の国家資格は剥奪される。また、2015年3月5日、段階的に国家試験を義務化する当案を、与党である自民党の介護に関するプロジェクトチームが大筋で了承、同年4月3日閣議決定した。